虫歯や歯周病で歯を失う人はどれくらいいる?!

いつも当院のブログをご覧いただきありがとうございます。

本日は虫歯や歯周病で歯を失う人はどれくらいいる?をテーマに、虫歯や歯周病に罹患する人の人数や、入れ歯の必要性などについてもお話しします。

「虫歯に罹患する人は成人の90%以上!」

 虫歯は世界保健機関(WHO)の報告によると、成人の90%以上が経験しており、前歯以外の5つの永久歯(第一小臼歯、第二小臼歯、第一大臼歯、第二大臼歯、第三大臼歯)においては、70%以上が少なくとも1本以上の虫歯を持っています。

このような高い発症率から、歯を失い入れ歯が必要となる人もかなりの数に上ると考えられます。

 また、国別で見てみると最も虫歯になる人が多い国はウクライナで人口の58.7%、 2位はカザフスタン・ロシアで58.2% 3位はサウジアラビアで54.5% だそうです。 ちなみに日本は23位で35.5%という結果になりました。日本でも3人に1人が虫歯になっていると考えると、先進国の中では多いかもしれませんね。

 反対に、最も虫歯になっている人が少ない国は予防歯科が進んでいるスウェーデン(12.6%)でした。 総じて、虫歯による歯の喪失は非常に一般的な問題であり、世界中の多くの人々がその影響を受けています。入れ歯になる人の具体的な数は把握しきれていませんが、虫歯の普及率や高齢化による需要の増加を考慮すると、その数は非常に多いといえるでしょう。

「歯周病により歯を失う人」

 歯周病は、歯肉の炎症から始まり、徐々に進行して歯を支える組織を破壊します。進行すると、歯がゆるみ、最終的には失われることがあります。歯周病は、不適切な口腔ケア、健康状態、喫煙、遺伝的要素など、さまざまな要因によって引き起こされます。

 失われた歯の部分は、入れ歯やブリッジ、インプラントなどの何らかの方法で歯を補う必要があります。歯周病により歯を失い、入れ歯になる人の割合は地域や個人のケースによって異なります。しかし、世界的に見ると歯周病は一般的な口腔疾患であり、多くの人々が影響を受けています。

 世界保健機関(WHO)によると、世界の成人人口のおよそ20-50%が何らかの程度で歯周病に罹患しています。この割合は国や地域によって異なり、一部の地域ではさらに高い割合で歯周病が見られます。 また国別で見てみると高所得国では60歳以上の人々の約30%が、低所得国では50歳以上の人々の約70%が、一部の歯を失っています。 

さらに財団法人8020推進財団(2018) 第2回 永久歯の抜歯原因調査によると、歯が抜ける原因の第一位が歯周病と言われています。具体的な数字を探すことは困難ですが、歯周病により歯を失い入れ歯になる人の割合は世界中で非常に高いと言えます。特に高齢者や歯科医療のアクセスが限られている地域では、入れ歯が一般的な歯の置換方法となっています。

「使える歯が少ないと顔貌や寿命に影響を与える」

虫歯や歯周病により歯を失ったままにしていたり、使える歯が少ないと歯並びや噛み合わせに大きな影響を与えます。また、最悪の場合は顔の形まで変わってしまい、非常に老けた印象になってしまいます。

そのほか、特に問題視されているのが噛める歯が少ないとと寿命が縮むという点です。沖縄県で40歳以上の約5700人を対象におこなわれた追跡調査では、調査開始時点にかめる歯が10本以上あった男性が15年後に生存していた割合は54%だったのに対して、10本未満の男性は25%でした。女性も10本以上の人は66%が生存していたのに対して10本未満の人は42%にとどまったという報告があります。

 「入れ歯の必要性、理解していますか?」

入れ歯は歯を失った人々にとって重要な道具であり、咀嚼機能や話す能力を回復し、自信を取り戻すことができます。しかし、入れ歯は自然な歯ではなく、定期的な歯科検診で調整が必要です。入れ歯を使うことのメリットを以下にまとめました。

 ・ブリッジ・インプラントに比べると天然歯への負担が少ない

 ・治療期間が短いため、通院の負担がかからない

 ・インプラントよりも安価に治療できる

 ・定期的なメンテナンス次第で長持ちする

 ・手術などの大きい治療が不要

 ・自然な目立ちにくい入れ歯もある

 ・素材次第で天然歯のように噛める入れ歯もある

 このように、入れ歯は個々のニーズにあったものを選んでいただくことで日常に馴染み、快適な生活を送ることができる装置になります。

また、当院はより審美性に特化した「バネなし入れ歯」のご提供もしております。

バネなし入れ歯・・・名前の通りバネ(クラスプ)がない入れ歯です。従来の部分入れ歯は金属のバネがついており、そのバネを残存歯にひっかけることで歯を支え、入れ歯の脱落を防止しております。しかし、バネがあることで金属アレルギーの方は粘膜の部分や歯ぐきに発疹が生じる方もいらっしゃたり、金属アレルギーの症状がない方も、バネの締め付け具合が気になるために「できれば入れ歯をつけたくない」という気持ちになる方もいらっしゃいます。

そのようなお悩みを解決すべく生まれたのが「バネなし入れ歯」です。

「入れ歯の実態調査」

先ほど、歯を失ったままにしているとお顔の形が変わったり、歯並びや噛み合わせに影響を与えるとお話ししました。このような状況になる前に、必ず歯のない部分を補ってあげましょう。 「日本の入れ歯事情」 厚生労働省「2016年歯科疾患実態調査」によると、何らかの義歯(部分入れ歯・総入れ歯・ブリッジと含む)を使っている人の割合は45歳〜増加傾向にあり、後期高齢者では84%に達するというデータが出ております。特に年齢が上がるにつれて部分入れ歯・総入れ歯の使用率は上がっております。

 「世界の入れ歯事情と発展途上国の歯の喪失問題」

また、各国の報告に基づく調査結果も一部参考になります。例えば、アメリカにおいては、年間約120万人以上が部分的なもしくは完全な入れ歯治療を受けているとされています。同様に、イギリスでは、65歳以上の人口のおよそ12%が入れ歯を使用しており、加齢に伴い増加している傾向にあります。さらに、発展途上国や貧困地域では、充分な口腔ケアや歯科医療へのアクセスが限られているため、虫歯による歯の喪失がより深刻な問題となっています。特に、食事の質や栄養摂取に制約のある地域では、虫歯の発症率が高く、多くの人々が歯を失い入れ歯を必要としています。しかし、貧困問題により十分に治療を受けられないことから、歯を失うと食事の質が低下し、長生きできないという問題も生じております。

「超高齢社会における入れ歯の必要性」

 また、入れ歯の需要は将来的にも増えることが予想されます。世界中で高齢化が進んでおり、加齢による歯の喪失は避けられないものとなっています。特に、人口統計学的データからは、2050年までに全世界で6億人以上の高齢者が入れ歯を必要とすると予測されています。

「まとめ」

本日は”虫歯や歯周病でどれくらいの人が歯を失っているか” “入れ歯の必要性”や”日本や世界の入れ歯事情”についてお話ししました。歯を失っても、そのまま放置しているとお口の中に非常に悪影響を及ぼします。

 当院では患者さまそれぞれに適した入れ歯を提供しております。 「なるべく早く入れ歯を使いはじめたい」「目立たない入れ歯を使いたい」などご要望に合わせて製作しますので、気兼ねなくご相談ください。